図書館から、予約していた本がやって来た。
志麻姐さん本、キターーーーー!
『岩下志麻のきもの語り』。
先日雑誌で志麻姐さんのインタビューの中で紹介されていた本。
いや、別に姐さんのファンてわけじゃ全くないんですが。
パッと写っていた数点の着物の写真に興味を持って図書館で即予約。
着物、いいわ〜
習い事の関係で子供のころから着る機会が多かった着物。そりゃあもう全く似合わないのですが(体型がハデで着物向きじゃないんです)、見るのは大好き。
姐さんの着物はどれもステキ。
イメージにぴったりな粋なもの、艶やかなものは勿論、伝統的な柄や淡い色、地味で繊細な作品も着こなしていてサスガです。
ずっと着物と付き合ってきた人だけあって小物の趣味も垢抜けてるし、エピソードも多々。羨ましい。
なにより姐さん、当たり前だけど若い頃から変わらず美人。
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小説では昨年末に読んだカズオ・イシグロの『わたしを離さないで』がよかったです。すごくよかった。染みた〜。
去年映画が公開されたんだけど、震災の直後で観に行く気になれなくてさ…。観る気満々だった私は、読もう読もうと思っていた原作をようやく手にしたのでした。が。
英語版を購入するも、まどろっこしくて途中で挫折。結局、翻訳版に切り替えましたとさ…。作品の内容なみに紆余曲折。
◆小説『わたしを離さないで』あらすじ
イギリス。「介護人」として生活するキャシーは、とある寄宿学校での日々を静かに思い返していた。
ある理由のために外界から遮断されたこの学校で、キャシーは幼い頃からずっと一緒に過ごしたルース、トミーと様々な想い出を共有してきた。だが、ルースとトミーが恋を育むようになり、キャシーは孤立。関係は壊れていく。
気持ちを掛け違えたまま成長し、離れ離れになった3人は、やがて逃れられようのない運命に直面することになる。
いや〜やっぱり日本語はいい…趣を感じる…。
『わたしを離さないで』にかぎらず、勉強のつもりで好きな海外の小説の気に入ってる場面だけ英語で読んだりしてるけど、やっぱり和訳のほうが断っ然好き。
読む人間(=ナラリーノ)は同じだから、英語でも日本語でも泣けるシチュエーションは一緒で同じ感情を抱くのですが、英語はまだまだまだまだ言葉の美しさがわかんない…。好きな単語はあるけど、そういうことじゃなく。
たとえば日本の本だと、内容はつまらないけど言葉の連なりに惹かれるとか、言葉の選ばれ方に気持ちをもっていかれることってあるじゃないですか。
(その逆、読み応えあるけど文章が好きになれない〜もあるけど)
とはいえ、英語の美しさなんて一生かけてもわからないだろうけど…そもそも日本語だってわかりきれないんだし。
閑話休題。
『わたしを離さないで』。
主人公たちが何のために隔離されているか、ハッキリと書かれていなくても理由はすぐにわかるし驚きもない。ちなみに映画だと最初のシーンでわかるし、そのことは特に秘密でもなんでもないんです。
ストーリーもわりと予定調和で…でも、なんでこんなに染みたかというと…。
「運命に逆らって生きようとする主人公たちの話」みたいなことが書かれたコメントを読んだのですが、私はそうは思わなかった。
むしろ、自分が選んだ世界ではない、与えられた場所、与えられた運命を大切に生きてる姿、そこが哀しかったし、でもとても美しかった。
たしかに抗おうとするシーンはあるけど、基本的に手の中にあるものに忠実で、つかみ取れなかったものへの執着よりも、用意された束の間の生を静かに、でも懸命に生きてる姿が描かれているように感じて。そこが心に残って消えません。年のせいかな。でも、もがくばかりが一生懸命なわけじゃないよね。
DVDで観ましたが、映画より原作のほうが断然いいです。
やっぱり長いタームにいろいろ詰まった物語を映像化するのはキツい。映画はかなり高速でエピソードをスッ飛ばしてます。
それでも、本を読んだ時に頭に描いた風景はそっくりそのまま表現されてました。
映画のほうがセクシャルな場面が少なくて、あっても違うアプローチで胸に迫る。画面が滲んで、目から流れ落ちるほどに。キャシー役のキャリー・マリガンもすごくハマってた。なんか結局映画も褒めちゃってるけれども。
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