ふたりはおたく。松ケンと田中聖

春だ！4月だ！ナラリーノ国国家元首・ナラリーノの公務が始まる。

公務・連続ドラマの鑑賞…

今週、さっそくナラリーノ注目のドラマが始まった。
かたや名作『野ブタ。をプロデュース』を手掛けた脚本家・木皿泉がペンをとった
『セクシーボイス アンド ロボ』。（日本テレビ系毎週火曜22時〜）

かたや名作『木更津キャッツアイ』を手掛けたプロデューサー・磯山晶が絡む『特急田中３号』。（TBS系毎週金曜22時〜）

奇しくも、２作品とも主役はオタクという設定。では軍配はどちらに！？

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

個人的な好みながら第1話、引込まれたのは断然『セクシーボイス アンド ロボ』。『特急田中３号』はまだ掴みかねている。その面白さを。魅力を。

『特急田中３号』あらすじ

二浪の果てに超三流大学に入学した冴えない青年・田中一郎（KAT-TUN・田中聖）は合コン出席を目的に鉄道研究会に入部。

一郎を除く、たった二人の部員が織りなすディープな世界にとまどいつつも、彼らのおかげで「俺だけのヒロイン」照美（栗山千明）と再会を果たした一郎は——

鉄道オタクたちがその知識を駆使して場を凍てつかせる。場を乗り切る。

だけだった。第1話。

ごめん、田中聖。

ただ、なにぶん第1話。
青春群像劇で出演者の多い『特急〜』ゆえまずは背景が描かれるのは致し方ないところ。『木更津』だって最初はそんなだった。

来週以降に期待。ちゃんとビデオ撮っとくから、頑張れ聖。てか、『特急田中3号』。

で、『セクシー ボイス アンド ロボ』

初回からパワー全開。
引きずり込まれたのは人気マンガである原作が面白いせい？それとも脚本家・木皿泉の力技？？？

『セクシー ボイス アンド ロボ』あらすじ

自宅と学校、コンビニを行き来するだけの毎日に倦んでいた14歳のニコ（大後 寿々花）は、ある日、２人の男が血まみれで争う姿を目撃する。

あまりの出来事に大興奮のニコはその思いを吐露すべく、大人の女を装ってテレクラに電話。ニコは七色の声を使い分ける不思議な特技の持ち主だった。

その電話を受けたのが、女好きのロボットオタク・ロボ（松山ケンイチ）で——

主人公の大後 寿々花。
声を操るだけでなく雑踏の中でも目当ての声を聞き分けることが出来る聖徳太子みたいな？耳の持ち主、なる設定。第1話ではそちらの特技をクローズアップ。

普通〜〜〜の女の子なのだが。

そこはかとない色気のある少女だ。しょんぼりした目元とおちょぼ口に日本女優の哀愁がある。例えて言えば、田中裕子的な。

そんなニコに絡む、どうにもアゴまわりがボテついたロボオタクの松山くん。

デフォルト無気力なくせに興味のあることには無駄にテンションが上がるその様。

極めつけはラクダ色の股引つなぎを着用。

「松山くんは写真写りは悪いがテレビや映画で動いている姿はカッコいい」

と、言っていたナラリーノの立場はいかに？(コチラの記事で言っていたんです。)

アゴのダブつき具合では松山くんに決して負けていないゲスト出演・中村獅童の演技もよかった。記憶が3日しかもたない謎の人物「3日坊主」を好演。

その哀愁に、見る者全てが彼の私生活の荒みを思っただろう。因果な商売だね、俳優って…

「痔にはボラギノール」のテレビCMをホーフツとさせる劇画タッチのストップモーション映像も楽しい。『セクシー ボイス アンド ロボ』。ボラギノールのCMがそんなだったかは別として文句なしに面白い。ドタバタしつつお話がしっかりして飽きないのだ。

今後、ニコとロボはスパイとして活躍するらしい。妖しげに輝いていた骨董屋の店主役浅岡ルリ子のもとで。

ごく普通の学園生活を営みながら、自分の周囲を、社会を、冷めた目で見ている10代の姿の秀逸ぶりといい本気で楽しみだ『セクシー ボイス アンド ロボ』。

自分の中に揺るぎないものを見つけて「自分はどこでだって生きていけるんだ」って思うに至った修二みたいな爽快感。『野ブタ。』全編に貫かれていたあの爽やかな感動を、ニコとロボはくれるだろう。

で、来週は『バンビ〜ノ！』だ！

◆余談

ここ数日の記事タイトルを「愛。」と「LOVE。」にしたのは、田中聖のドラマ紹介ということで今回のタイトルにジャニーさんばりの「YOU！」を入れるための伏線のつもりだったが。

「ふたりは最高！ダーマ&グレッグ」風にスライドしてしまいましたとさ。

「愛。」と「LOVE。」の立場はいかに…？