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【本の話】『タイムスリップ森鴎外』

お昼の休憩時間に読む、ちょっとライトで面白そうな本。そんな希望をもって選んでみたのがこれ。



鯨統一郎『タイムスリップ森鴎外』。このタイトルなら内容が重いはずなかろうかと。


そしてまた、題名と装丁だけで内容を判断できる点も素晴らしい。


「未来にタイムスリップした森鴎外を中心に巻き起こるドタバタ劇を描く」


絶対に、そういった話だろう。


実際、読んでみたらその通りだった。


◆『タイムスリップ森鴎外』あらすじ

1922年(大正11年)。
何者かに殺されかけた森鴎外は、追手から逃げる途中で未来にタイムスリップしてしまう。着いた先は80年後の東京・渋谷——

危ないところを二人の女子高生に助けられた鴎外は、好意的に接してくれる彼女たちやその友人とともに過去に戻る術を模索しながら自分を殺そうとした犯人をも探そうとする。

その過程で鴎外は日本近代文学史に潜む、ある謎に気づいて——

***************


夏目漱石に比べて作品自体がとっつきにくい故、思い入れのなかった文豪・森鴎外だったが。この『タイムスリップ森鴎外』ではその愛すべき人柄を遺憾なく発揮してくれる。


・高校生軍団からモリリンと呼ばれる鴎外
(本名がモリリンタロウだから)


・ユニクロやコンビニで買い物する鴎外
(庶民派。好感度UP)


・善き友人となる彼女たちから『花より男子』を買ってこいと命じられる鴎外
(素直に応じる姿に好感度UP)


・そこで見つけた宮部みゆきの作品に感動する鴎外
(やはり素直。好感度さらにUP)


・現代のお勉強として流行歌をウォークマンで聴く鴎外
(残念、B'zはセレクトされておらず)


・カラオケでハマショーを熱唱する鴎外
(しかも上手)


・J-ラップ大会に出場する鴎外
(リリック、さすが秀逸)


・パソコン、ケータイを操る鴎外
(ブラインドタッチ、顔文字を学び、ホームページを作るに至る。寄せられたコメントにマメにレスする森鴎外に、好感度さらに倍)


◆結論

鴎外、かなりアッサリ現代に馴染んでいる。


こういうストーリーって“未来の生活に戸惑いドジる時間旅行者”が描かれがちだけど、『タイムスリップ〜』の鴎外は文明の進化などヘッチャラだ。
驚きつつも臆することがないばかりか1の説明で100理解する頭の良さであっという間に新たな毎日に順応していく。


でもきっと、本当の鴎外であればそんなだったのだろう。
明治時代に国費でドイツに留学させられるほどの超インテリであり、時代を先取りした人でありながら歴代天皇の謚号の由来を漢籍から掘り当てる『帝謚考』を執筆するほど古今東西の知識にも通じた人だった。


だから、もし鴎外が現代にタイムスリップしたら——きっと誰よりも新しいものに興味を示し、現代人など足下にもおよばない理解力でそれらをマスターしたかもしれない。


遠かった鴎外が近くに寄ってくるような楽しい錯覚が『タイムスリップ森鴎外』の中には息づいている。


過去の人間が未来に来ることで生まれる歴史のひずみはタイムスリップものの常套ストーリーだが、この小説の場合、鴎外が時間旅行したことで文学史からだんだんと鴎外の作品が消えていってしまう。


そればかりか、このまま時が進めば森鴎外という偉大な作家自体が存在しないことになりそうな勢いに。


それを鴎外が切なく思うところはとても胸を打つ。
また、そんな鴎外の悲しみや焦りに共鳴して、いまどきの高校生たちが奮闘する姿も浪花節な話が好きな私のツボをブシブシと押してくれた。


誰かが命を削っても残そうとしたもの。それに後世の人間が触れることが、人の生きた証や歴史をつなぎ止めることになるのだと感じた。『タイムスリップ森鴎外』。ハネた作品ながら思いのほか考えさせられる内容が詰まった1冊だった。


思いもかけない人が犯人だったのもなかなか◎。だから、星3ツ半くらいはあげてしまおう。



ちなみに。ナラリーノの中でタイムスリップものの西の横綱は『夏への扉』。 人に疲れると読みたくなる。


そして東の横綱は——



コレ——楳図 かずおの『漂流教室』——


『漂流教室』、いい話だよ。絵は恐いんだが。

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ナ国☆図書館」カテゴリの記事

コメント

あ、あとここにだけコメントー。そしたら寝ますからー。
この本おもしろそう。読んでみようと思いまーす。
こちらからもオススメ本。
有川浩の『図書館戦争』って読んだ?
これもなかなかおもしろかったよ。
ちょっとアニメちっくな感もあるけど、
結構よくできててするする読めます。
そう遠くない将来、あってもおかしくなさそうな設定の話です。

(^^)アリミツォーネちゃま

『図書館戦争』!
国ドゥーにマメにコメントしてくださる
ばらゆりさんのオススメ本の中の1冊なので
ナラリーノのリストにも入ってるんだ!
すごくそそられるタイトルだったので・・・
やっぱり面白いんだ!読みますぞ、近日。

ばらゆりさんのブログはコチラ!!!
http://air.ap.teacup.com/35941059/165.html

※TOPではなく、『図書館戦争』記事のページに飛びます!

アリミツォーネ、ばらゆりさん
これからも是非、
オススメ本のコメントをしてください!

>あ、あとここにだけコメントー。そしたら寝ますからー。

お告げ信じとる(笑)えらいぞ、アリミツォーネ!!!

> お告げ信じとる(笑)えらいぞ、アリミツォーネ!!!

昨夜アリミツォーネさんのコメントを読んで、
『かわいい~(*^o^*)』と思ってました。
すごいかわいい。

お告げは信じますよ、私も☆

あ、上のコメント、私です(^_^;)

(^^)ヲギイ

ふふ、信じてくれた?
むむぅ、うかつなお告げを表示できませんなあ。
やっぱり。。。

ばらゆりさんのブログにお邪魔してきました~。
『図書館戦争』、まさにばらゆりさんのおっしゃるとおりで、
本当に理屈ぬきで面白い作品です。早く読んでね(^^)

そしてヲギィ大臣に「かわいい」とか言われて。。。
照れます。てへ(#^^#)
皆でお告げを信じて、今日もそろそろ寝ましょう。
(もう相当遅い時間なれど。)
あ、でも今日のお告げは「わるいやつら見ろ」でした。
もう叶わない。。。再放送まで。。。無念。

(^^)アリミツォーネ

お、ナラリーノ近隣諸国にも観光してくださいましたか!
ありがとう!!!

>『図書館戦争』、まさにばらゆりさんのおっしゃるとおりで、
>本当に理屈ぬきで面白い作品です。早く読んでね(^^)

必ず必ず!
地元図書館に予約してあるんだけどすごい予約数なんだ。
図書館の冊子でも紹介してたし、オススメ本なんだね〜〜〜

>そしてヲギィ大臣に「かわいい」とか言われて。。。
>照れます。てへ(#^^#)

そしてこの↑顔文字もかわいい☆
照れてる人に見える・・・また顔文字の話、書かなくちゃ!

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