年末年始に読んだ本
正確には「12月〜年始に読んだ本」です。
行ってみよう!!!
1.『僕僕先生』仁木英之(新潮社)
| 第18回 日本ファンタジーノベル大賞 大賞受賞作品。 |
これ、なかなかの佳作でした。
読んでいると、ジンワリ心が温まってくるような。
舞台は中国、玄宗皇帝の御代(唐の時代)。
財産持ちの父親がいるのをいいことに
仕事もせず、勉強もせず、
日々を無為に過ごす青年・王弁が主人公。
道教に凝った父親の願いを聞き入れて
仙人が住む地を訪れた王弁は、そこで
美少女姿の仙人「僕僕」と出逢う。
王弁は僕僕に気に入られて、一緒に旅に出るのだが。
こういうお話って、たいがいが
旅の途中で事件に巻き込まれた
“ニート”な王弁の成長物語・・・
みたいな内容に転びがちだけど
このお話のいいところは、
そういう説教感がないところ。
劇的な展開がないわけではないけれど
王弁がその事件の渦中にいることは少なくて。
経験を積んで云々ではなく
僕僕と王弁が出逢って行動を共にすることで、
互いが持っているいい気質が
表に出るようになった感じ。
二人がだんだんと解き放たれていく様子が
読んでいてとても心地よかった。
そんなやんわり感の中に
人を救うのは不思議な力ではなく人!
という信念が貫かれていて
意外と骨太。
ちょっと説明がわかりづらかったり
謎かと思っていたことがそうでもなかったりしたけど
面白かった。またゆっくり読んでみたいです。
![]() | ちなみに表紙と 挿絵が可愛いんだ♪ |
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2.『千年、働いてきました −老舗企業大国ニッポン−』
野村進(角川書店)
| 「トリビア」的感動☆ |
もともとこの本は、著者の
「どうして日本にだけ『創業数百年』なんていう
老舗が存在するのだろう」
という疑問から作られた本だ。
その理由を調べていくうちに、著者は
時代の最先端を行くテクノロジーを支える技術に
江戸・明治時代から続く老舗が
多く関わっている事実に行き着く。
つまりは、しなやかな発想力で
今を生き抜いている会社を紹介することで
“企業力とは何か”をあぶり出そうとしているのだが
読んでいる側としては、ビジネス書的な側面よりも
老舗やその周囲の人たちが持っている
「人間、やっぱり『志』!」的な力に
目が行ってしまう。
大手企業に騙され、倒産の憂き目に遭いながらも
代々の家訓を守ってひたすら律儀に働こうとする
老舗の社長さんの姿や
世界最古の建築業者・大阪の金剛組
(飛鳥時代、世界史的にはイスラム教が出来る以前の
創業)を潰すまいとする地域の人々の心意気だとか。
こういったところは、読んでいて痺れるって!
老舗が存続するに至る日本人特有の職業観や
お店を続けられる歴史的背景−
ようは侵略や破壊のない国にであることの幸運−
にも触れられているけど
そんなに固い本ではありません。
ヒゲタ醤油とオーストラリアの羊たちの愉快な関係とか
業界総スカンだった呉竹の筆ペンの話やら
トリビア的なお話満載の1冊だ。
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3.『テヘランでロリータを読む』
アーザル・ナフィーシー(著)/市川 恵里(訳)
(白水社)
| イスラム女性の 自由を渇望する姿が ここに! |
イスラム革命以来、戦争と監視体制が続くイラン。
この地で、大学教授の地位を奪われた女性が
自宅に数人の女生徒を集めて開く読書会。
その読書会の様子や選ばれた本の文学論、
そこに集う人たちの人生やイランの生活が
描写されているのだが
いやいや、なんだかもう凄まじい抑圧ぶりだ。。。
おまけに回りの人たちがゾロゾロ亡くなっていって。
こういう本を読むと
自分がいかに「つもり」の人間か、考えてしまう。。。
本を読んでる「つもり」、っていうのかな。
私は、この本に登場する人たちみたいに
普段、文学と真っ正面から向き合って
本を読んだりしないし。
読書することが精神性の解放!とか考えたこともないし。
ただ、この本の中で取り上げられる
数々の書名を見るにつけ、
読んだことのない本ばかりで興味をそそられる。
本を読むことで新しい世界が広がっていく感じ。その喜び。
そういうことは感じられるけど。
難しい本でした。。。
そのほか、家族の崩壊と再生の物語
瀬尾まいこの「幸福な食卓」 (講談社)や
学習能力の高いフィンランドの子どもたちへの教育法
『図解 フィンランド・メソッド入門』
(北川達夫著/経済界)も面白かったです。
サスペンス『闇の底』薬丸岳(講談社)は
後味悪かった。。。
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