大奥車両

本日、朝から東京大停電。

普段乗っている地下鉄がストップ。
仕方がないので振替輸送でJRを利用。

朝のJRなんて混んでいてイヤだなあ・・・と
思いつつ、ふと考える。

「たしかこれから乗り込む線には、
女性専用車両なるものがあったはず」

ナラリーノ、34年の人生の中で
女性専用車両に乗った経験なし。

女性、専用。。。

お化粧品やシャンプーの匂いが満ちているのだろうか。

空気がピンク色に染まっていたりして。

なんかこう、「うふ」みたいな。

・・・冷静に考えれば、
トイレだって銭湯だって
生まれた時から女性専用を利用。

ドキドキする必要はまったくないのだが。

でも、そこは女性専用車両。
ムサイ男どもから逃れて来た
か弱き乙女たちが集う場所。

なんだか女駆け込み寺みたいな。
そんな神聖なる車両に乗ってみた。

お盆のせいか、車両は空いていた。

だからのんびりと女駆け込み車両ウォッチング。

むむう。

もっと、はんなりしたものを想像していたのだが。

なぜに皆さん、そんなに足を広げて
寝ていらっしゃるの？

「うふ♪」というより「がばぁ」という感じか。

私はつり革につかまって立っていたのだが
前に座っていた女性なぞ、足を投げ出して
ぐうすか寝ている。

おのれ、おそれ多くもナラリーノ国の
国家元首をボカスカ蹴るなあ！
この感じ、駆け込み寺というより大奥だ。
女たちは朝から戦っておる。

大奥車両。

ってことは何かい。将軍はいないのか？

つまりは−−−
こういう車両なのに−−−
間違って乗ってしまった殿方は−−−

さすがにいないのかな、と思いきや。

やっぱり、いた。

次の駅に着いた途端、コソコソと電車を出て行った
２０代くらいの男の人。
うーん、残念。もっと堂々としていたら
立派に殿様だったのに。

他にも。

時間調整で止まっていた駅で
中年のサラリーマンが乗り込んで来た。

ドア付近に佇んで、一息ついたその男性が
ゆっくり車内を見回した。
面白い、すぐには気づかないようだ。

その後、ゆっくりと出て行った。

残念。やはり殿様はいないらしい。

大奥車両。
混んでいたら、いったいどんなバトルが
展開されるのだろう。